章 7

「ねえ、シンシア?」

不意に名前を呼ばれて思考が途切れる。ほとんど空っぽのロッカーを慌てて閉めると、声の主が誰だかすぐに分かった。振り返るとヘイリーがいた。メガネのレンズ越しにも、彼女の心配そうな表情がはっきりと見て取れる。

「プールでのこと、なんとなく聞いたけど。大丈夫?」

私は、友人と言っていいのかどうか分からない彼女の問いに頷いた。私たちは演劇部で知り合った。彼女は役者だけれど、私は裏方で、すべてがスムーズに進むように手配する方が好きだ。

今後の公演のために私がポスターを描いてから、少し話すようになった。彼女はそれを熱心に褒めてくれたのだ。それ以来、たまに会話を交わすが、それほど親しいわ...