章 86

「はぁ……」立ち止まると、私は至福のため息をついた。「アレックス、ありがとう」

「君がもうすぐ母親の元へ帰らなきゃいけないのはわかってる。だから、できることは何でもするつもりだ。でも、いずれは君も自分の群れに戻らなきゃならない」

「ええ――わかってるわ。ただ、どうすればいいか考えなくちゃ。お母さんに何を話して、いつ区切りをつけるべきか」

「ただ、覚えておいてくれ。俺は君と一緒には行けないかもしれない……最初は、な」

「ああ、だめ――マイケル!」どうして忘れていられたんだろう?「トリカブトの解毒薬はあるの?」

「もしあるとしても、彼に毒を盛った狼と一緒に死んでしまっただろうな」

「ほんっっとうに...