155話

彼の視線は氷のようだが、その指は炎のように熱い。

私が顔を覆おうと手を上げると、トリスタンは手を伸ばして私の手を引き下ろし、私だけに見せる笑みを浮かべる。その笑顔に釣られるように、私の唇も自然と笑みを形作りたくなる。私たちがベッドの上で息を切らしながら横になっていると、ドアが開き、リジー・ウォルトンが入ってきた。

「くそ、鍵をかけたと思ったのに」トリスタンは起き上がりながら、黒い髪に指を通した。今は完璧なスタイルではない。むしろ、少し乱れて、今まで見た中で最も可愛らしい姿かもしれない。まあ、トリスタン・ヴァンダービルトを「可愛い」と表現できるかどうかは別として。セクシー、間違いなく。高身長で...