20話

二度とあの暗闇に落ちるようなことはしない。最初の時、薬を飲んだ時は、ひどく意識がもうろうとしていて、覚えているのはただ吐いて、そしてザックの胸で泣いたことだけ。二度目は苦痛だった、そこに座って出血し、痛みを感じながら、迫り来る闇の中に何が待っているのか考えていた。もう二度とあの闇を見たくない、老いてしわくちゃになって、充実した人生を送った後でなければ。まだだ。まだだ。

そして充実した人生を送るための最大のチャンスは、この学校と優秀な成績、そしてオーケストラだ。

私にはできる。

洗面台から身を起こし、汚れた制服を脱いでシャワーを浴びる。赤い染料が髪から流れ出し、シャワーの底を、あの日手首を...