265話

何らかの理由で、完璧なラッピングと共に玄関先まで届けられるような、そんな綺麗な結末にはならないだろうと思う。

ハッピーエンドが時に苦いのは、そういうものだ。

「だから言ってるんだ。俺はこれまで多くの女性と付き合ってきた。お前の前に本当に好きだった唯一の女性は、俺が何十人もの女に対してしてきたことと同じことを俺にしたんだ。俺には償うべき罪がある。だが、お前の望みを叶えることはその罪には含まれない。一緒にボーンステッドに行こう。たとえ誰かが反対側の手を握っていたとしても、俺はお前の手を握り続ける」

「本気で言ってるわけじゃないでしょ」私は息を詰まらせながら彼の横をすり抜けようとするが、彼は優し...