270話

手袋をはめた手が私の手首を包み込み、彼は私を彼の裸の汗ばんだ胸に引き寄せ、乗馬ズボンの下の硬いものが私のお腹に押し付けられる。彼が私を見下ろす様子から、私にはわかる。彼は負けるとは思っていない、少なくともこの勝負では。私への彼の気持ちは本物かもしれないが、その自信過剰な態度は気に入らない。

「その得意げな顔をやめたほうがいいわよ」と私は彼に言うが、彼の笑みはただ官能的な笑みへと広がるだけ。もし洗練されていなければ野性的とさえ言えるだろうが、そこには危うさがある。これまで私に良くしてくれたこと、忠実な友人であったことにかかわらず、彼もまた地獄のように危険だということを思い出させる。

「やって...