277話

トリスタンは怒りに任せて図書館の棚にバインダーを乱暴に押し戻している。明らかに何かに腹を立てているのだが、何なのかさっぱり分からない。

「私に怒ってるの?」私は尋ねる。1年生の時、パンティを履かずにスカートのままで本を取ろうとした図書館でのあの瞬間を思い出さないようにしながらも、結局思い出してしまう…

「どうしてそんな考えに至ったんだ?」彼は無表情に言い、最後の本を棚に戻してからテーブルに戻り、タブレットにメモを書き始める。彼がスタイラスペンを画面に押し付ける様子に、私は思わず顔をしかめる。

「ここ数週間、ほとんど私に話しかけてこなかったし。食事のたびにリジーの隣に座るし、それに…」私は...