第7章

桜ヶ丘メディカルセンターは東都の郊外にあり、窓の外には枯れ木立が延々と続いているだけだった。

外には出られない。通信機器は没収され、ここは病院という名の軟禁施設と化している。

看護師たちはいつも完璧な営業スマイルを張りつけ、慇懃無礼なほどの敬語で、私のあらゆる訴えを拒絶するのだ。

藤崎礼は、毎日やって来る。

決まって夕方だ。彼は全身に外の冷気を纏ったままドアを押し開け、ベッドの端に腰掛けて、少しの間言葉を交わす。

私が彼の手のひらを生理的に拒絶しても、彼は無理強いしてこない。ただ、陰鬱な瞳でじっと私を見つめるだけだ。

最近は薬が回ってくると、決まって昔の西港での日々...

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