第8章

 お母さんの匂いがまだ残っている椅子に座り、お父さんのノートを抱えていると、涙で何もかもが滲んで見えた。

 この十三年間、私が知っていると思っていたことのすべてが、間違っていたのだ。

 お父さんはお母さんを愛していた。ずっと、愛し続けていた。ただ、手遅れになるまで、その示し方が分からなかっただけなんだ。

 今までずっと、お父さんは気にかけてなんていないんだと思ってた。でも本当は、身を滅ぼすほど深く、深く愛していたんだ。

 立ち上がって、もう一度部屋を見回した。ここにあるもの一つひとつが、お父さんがどれだけお母さんを恋しく思い、後悔していたかの証だった。

 何をすべきか、分かっていた...

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