第5章

アイリス視点

 再び目を覚ましたとき、私はまったく見覚えのない部屋に寝かされていることに気づいた。

 ここはホテルでも、私たちのアパートでもない。部屋は広く、豪華な装飾が施されているが、どこか落ち着かない冷たさがあった。床から天井まである巨大な窓からはラスベガスの夜景が見えるけれど、ここがどのビルなのか見当もつかない。

「目が覚めたかね?」知らない声がした。

 首を向けると、高価なスーツを着た中年男性がソファに座っているのが見えた。金色の髪に、氷のように冷たい青い瞳。その顔には、ぞっとするような笑みが浮かんでいた。

 この人がヴィクトル?

「我が小さき友よ」彼はロシア語訛りの英語...

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