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第三十五章――眠り

私がアルファの命令を下すのを、ストームは誇らしげに毅然と立って見ていた。アクセルはそれに必死に抵抗していたが、長くはもたない。それはまるで、巨大な岩を一人で支えるようなもの。いずれその重みに押し潰される運命だ。私は信じられない思いで、銀の刃が母の脇腹に突き刺さるのを見つめていた。

ストームは悲鳴を上げ、地面に崩れ落ちた。マーベリックは獣のように狂った形相で咆哮した。彼はすぐさまアクセルに突進し、私は全力で母のもとへ駆け寄った。恐怖と怒り、そして衝撃が私の中を駆け巡った。

「ママ! ママ!」母に呼びかけたが、彼女は横たわったまま反応がない。銀は狼にとって猛毒であり、ほとんど...

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