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第二章 ― ディナー

湖畔にもうしばらく座り続け、土の力を使って木々を再生させてから、俺はパックハウスへと戻った。ムーン・レルムのパックハウスは、屋敷というよりは巨大な城やリゾート施設といった規模だ。ニューヨーク州北部、エリー湖のほとりの森に美しく佇んでいる。

アルファの執務室に入ると、下の双子の弟たちが出迎えてくれた。二人は瓜二つで、クロウ家の血を色濃く受け継ぎ、目の色以外は親父にそっくりだ。ゼウスは生まれつき灰色の瞳を持ち、風を操ることができる。ポセイドンは深い青色の瞳で、水を操る。末っ子の妹デメテルは、黄金がかった茶色の瞳を持ち、土の力を操る。

俺の目は母譲りの氷のような青色、通称...

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