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第四章――トゥルム

「プラヤ・ルナへようこそ、皆様!」

フロントデスクで若い受付係が俺たちを迎えた。背が高く、筋肉質で、危険な三匹の狼の姿を目の当たりにして、彼女の呼吸が不規則になるのが聞こえる。彼女の人間としての脳は、目の前に立つ存在を認識することも理解することもできなかったのだろう。

「ご予約番号とパスポートをいただけますか?」

彼女は息を切らしながら尋ねてきた。それから、ほつれた髪一筋を神経質そうに耳にかける。名札にはイェシーとあり、何かの略称なのだろうかと思った。確かに人間にしては魅力的だが、そのオーラと身のこなしは、彼女がたやすい獲物であることを示していた。

「よう、俺のおいし...

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