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第七章――サルサ

ユードラ視点

カリブ海の天気はとても予測が難しい。高温多湿だったり、爽やかで風が心地よかったり、あるいは土砂降りだったり。同じ日の天気予報に、そのすべてが含まれていることだってある。今は、爽やかで心地よい風が吹き、夜空は澄み渡っていた。

私たちは心地よい沈黙の中、数分間歩いた。彼との素晴らしいダンスの興奮が、まだ冷めやらない。彼は間違いなく、私が今まで光栄にも一緒に踊った中で最高のダンスパートナーだ。力強く、情熱的で、その筋肉質な体格からは想像もつかないほど足さばきが軽いのに驚かされた。クラブに残って一晩中踊り明かさないかと誘おうかと一瞬考えたけれど、私たちにはディナー...

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