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第二十二章 ― 来客

俺の下で乱れる彼女の姿は美しかった。彼女が俺のものだなんて、信じられないほどだ。一晩中、何度も何度も彼女を抱き、ただ愛し続けたいと思った。

俺は彼女に歯を立て、今すぐ自分の「印」を刻み込みたいという衝動を必死に抑え込んだ。まずは彼女の心を勝ち取る必要があったからだ。彼女の胎内で育ちつつある、俺の子のエネルギーを感じる。彼女の匂いが変わっていたのだ。他のシフターたちがすぐに気づくであろう香りへと。ユードラは自分が母になろうとしていることに気づいていないようで、俺もそれをどう伝えればいいのか分からずにいた。

「まずは新聞を全部隠すんだな」アポロがからかうように言った。

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