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第十九章 ― 偶然の一致

マヤ・リビエラ。愛しい番(つがい)と初めて踊ったのは、ずいぶん昔のことのように思えるが、実際にはまだ一年しか経っていない。月の女神よ、俺はなんと幸運だったことか。彼女の手を取りくるりと回すと、突然彼女の動きが止まった。

「どうした?」攻撃直前の狼のように張り詰めた様子のユードラに尋ねた。

「ヴィクトリアよ」

彼女が言ったのはそれだけだった。俺は素早く彼女の視線を追って振り向いた。大型観光バスが通り過ぎると、通りの向こう側は無人だった。ヴィクトリアの姿はどこにもない。

「たしかにそこにいたの。私たちを見ていたわ」ユードラは声を上げた。

「本当に彼女だったのか...

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