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第二十章――ついに

ユードラ視点

ドミノ公園に入った。帰りに通りの向かいにあるアイスクリームパーラーに寄って、甘いものを食べたかったのだけれど。でも、結局私たちが公園から持ち帰ったのは沈黙だけで、アイスクリームへの渇望なんてすっかり忘れてしまっていた。

アレスが私の手を掴もうとしたので、私はそれを振り払った。彼がこんなに簡単にこの場を丸く収められるはずがない。公園にいた見知らぬ男が知っているのなら、彼ら全員が知っていたということだ。誰もわざわざ私に教えてくれなかった。アポロでさえも。今朝のワイルダーの言葉を思い出すと、すべてが腑に落ちた。彼は育ちつつある子狼の匂いを嗅ぎ分けることができたし...

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