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第二十二章 ― 行方不明

ユードラを屋敷に閉じ込めておくのは気が引けた。ここ数日、何十人ものヴァンパイアが戦士たちとの合同訓練のために群れを訪れている。到着したばかりの装備を使った武器訓練も行われていた。次の新月と、予想される襲撃に備え、訓練は苛烈を極めている。俺の番(つがい)に、ヴァンパイアの恐ろしい一面や、あの赤い目を見せることだけは避けたかった。武器の訓練では凄惨な事故が起きたり、血なまぐさい光景が広がったりすることもある。狼には高い治癒能力があるため、俺たちにとっては大したことではないが、人間の番が同じように受け止められるかは分からなかった。

「俺たちの番がヴィッキーに何をしたか、...

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