第102章

「うん、わかったわ。哲也ちゃん達也ちゃんを着替えさせたら、撮影クルーが予約してあるホテルへ行きましょう」

安藤絵美は気持ちを切り替えると、古村苗と共に双子の身支度を始めた。

一方、原田桐也は病院にいた。ベッドに横たわる原田光紀を見て、思わず溜息をつく。

「光紀兄さん、T市に来るならどうして俺に一言連絡をくれなかったんですか。そうすれば迎えをやったのに。そうしたら、喧嘩の巻き添えを食って腕を切られるようなことにはならなかったはずだ」

原田光紀の腕にはガーゼが巻かれていた。彼としても、飛行機を降りた直後にまさか乱闘騒ぎに遭遇し、あまつさえナイフを持ち出す輩がいるとは予想だにしていな...

ログインして続きを読む