第111章

山田静がまさに古村苗の口へコーラを注ぎ込もうとしたその瞬間、彼女の体は猛烈な衝撃を受けた。

手から滑り落ちたカップが床を打ち、コーラが辺り一面に飛散する。山田静自身も、不意を突かれて無防備に床へと倒れ込んだ。

「悪いやつだ。苗おばさんに毒を飲ませようとしたから、先に飲め」

山田静に体当たりを食らわせた達也は、脇に置かれていた残りの二杯のコーラを素早く掴み取ると、倒れた山田静の口を目がけて一気に流し込んだ。

すべてを飲ませることはできなかったが、少なくとも半分は彼女の喉を通っただろう。

事態を把握した山田静は、狂乱状態に陥った。

「ああっ! このクソガキ……殺してやる!」

充血し...

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