第118章

山本芳は、自信に満ち溢れた娘の顔を見て、心の中で深く溜息をついた。

原田桐也のような男を自分のものにすることがどれほど難しいか、この子は痛い目を見なければ理解できないのだろう。

三十分後、二人のボディガードを従え、安藤羽言はK市の中心街にあるショッピングモールへと繰り出した。

高藤家の祖父は彼女に別荘を与えただけでなく、とりあえずの小遣いとして、二億円の限度額がついたカードまで渡してくれていた。

望んでいたブラックカードではなかったが、無一文よりは遥かにマシだ。

ここ数日、両親はどうにかしてそのカードを手に入れようと画策しているが、渡すわけがない。今日はその半分を使い切るつもりだっ...

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