第126章

十二時間が経過し、ようやく手術室のランプが消えた。

扉が開き、中から山田仁羽が姿を現す。

「ボス、手術は成功ですよ」

マスクを外し、山田仁羽は安藤絵美に微かな笑みを向けた。

鈴木雲が山田仁羽の後ろについて出てくる。その眼差しはすでに山田仁羽への敬服の色に染まっていた。彼は原田桐也に視線を移し、力強く頷くことで、山田仁羽の言葉が真実であることを証明した。

原田桐也の張り詰めていた表情が、一瞬にして緩む。

原田大奥さんもまた、心の底から安堵の息を吐いた。

原田お爺さんが病室へと運ばれていく中、山田仁羽は彼らに告げた。

「お爺様はあと一時間もすれば目を覚ますでしょう。実のところ、今...

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