第221章

原田桐也は、男に尋問を急ぐことはしなかった。

どうせ後で、このジェイという男から情報を吐かせる手段はいくらでもある。それに、ここの警察署長とは旧知の仲だ。

ホテルに戻ると、すでに一台のパトカーが待機していた。桐也は部下に命じてジェイを引き渡させ、そのまま自身も警察署へと同行した。

一方、ホテルの部屋にいた安藤絵美はサイレンの音を耳にしていたが、あえて下に降りようとはしなかった。

彼なら全てうまく処理してくれる――そう信じていたからだ。心配する必要などない。

本来なら桐也の帰りを待つつもりだった。

だが、待てど暮らせど彼は戻らず、やがて彼女は堪えきれない欠伸を噛み殺した。

窓の外...

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