第229章

「帰国したら、一度会ってほしい。会社の一部、株式を譲渡したいんだ。もちろん、相続を拒否しても構わない。だが、父親として何もしないわけにはいかない」

「お前はこの世でたった一人、私と血の繋がった娘だ。私が去った後は、やはりお前に会社を継いでもらいたいと思っている」

四宮志延はそう言い切り、期待を込めた眼差しで安藤絵美を見つめた。株式の贈与という形で、この父親に対して少しでも心を許してくれることを願っていたのだ。

養女はいたが、今になってようやく気づいた――自分は、父親としての振る舞い方など何一つ知らなかったのだと。

安藤絵美という優秀な娘を前にして、彼はどこか手持ち無沙汰で、どう接して...

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