第231章

「部下を一人呼んで、君たちを外まで送らせよう。誰も邪魔はさせない」

 アダムは内心、危惧していた。もし安藤絵美が自分を人質にしたまま外へ出たとして、万が一、部下が彼女に向けて発砲したらどうなるか。彼を救うためだとしても、絵美がとっさに彼を肉の盾にすれば、彼は犬死にだ。そんな理不尽な死に方は御免だった。

 安藤絵美は、顎をしゃくって気絶している二人の部下を彼に見せた。

「あなたの言葉なんて、何の役にも立たないみたいね。だって、部下を入れないように言っておいたはずなのに、彼らは入ってきてしまったんだもの」

「……」

「だから、あなたの約束なんて信用できないわ」

 アダムは伸びている二...

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