第98章

原田桐也は安藤絵美にプレゼントを贈った際、まさか絵美からもお返しがあるとは夢にも思っていなかった。

紙袋を開けると、絵美が選んでくれた服はどれも自分の好みにぴたりと合うものばかりで、驚きと共に喜びが込み上げてくる。

「絵美ちゃん、ありがとう」

桐也は絵美を抱きしめた。彼が何よりも嬉しかったのは、絵美のその心遣いはもちろんのこと、彼女が自分の好みをこれほどまでに深く理解してくれていたことだ。

絵美もまた、桐也の背中に手を回す。

「桐也様、気に入っていただけてよかったです。もしお気に召さなかったらどうしようかと心配で」

「そんなことはない。全部気に入ったよ。明日から君が選んでくれた服...

ログインして続きを読む