第4章

放課後を告げるチャイムが鳴り響くと、教室の空気は目に見えて張り詰めた。

ひそひそ話の声が大きくなる。誰かが言うのが聞こえてきた。

「あの子、最近どうしたんだろう? まるで別人みたい」

「西野君と揉めたらしいよ。あの風紀委員長と」

「おかしいよね。前はあんなに……普通だったのに」

鞄の整理を終えると、西野光とその取り巻きたちはとっくに姿を消していた。校門を出ると、うちの運転手が車を発進させるところだった——光がわざと運転手を先に行かせ、私が車で帰れないようにしたのだろう。

「子供っぽいね」

私は小さく呟いた。

西野の家が、どうして私の家だと言えるのだろうか。

私は...

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