第5章

西野光は、嫌悪感を露わにした表情で、まっすぐ私に向かって歩いてきた。

「お前たち母娘は本当に不吉だな」

彼は軽蔑に満ちた眼差しで、そう囁いた。

その言葉を聞いた母の肩が、びくりと震える。しかし、それでもなお継母特有の忍耐強い姿勢を保ち、俯いたまま一言も発しない。

私は冷ややかに彼を見つめた。

「口を慎みなさい。さもないと、痛い目にあわせてあげる」

「お前たち母娘がこの家に入ってこなければ、僕と父さんの生活はもっと円満だった。僕だって学業のストレスがこんなに大きいのに、家の不和にまで対応しなきゃならない。全部お前たちのせいだ」

西野光は皮肉っぽく言い放つ。

私の内側...