第7章

警察署の扉がゆっくりと開き、冷たい風が吹き込んできて、先ほどまで感情を高ぶらせていた数人の頭を少し冷やさせた。

私と母は肩を並べて外に出た。背後には西野俊介、小川雪、そして西野光の姿がある。

西野俊介は罰金を支払わされ、私と母は証拠不十分で釈放された。

西野俊介はスーツの上着を脱ぐと、小刻みに震える小川雪の身体にそっとかけた。その仕草は吐き気を催すほど優しい。小川雪はうつむき、誰とも視線を合わせようとせず、まるで怯えた小動物のように西野俊介の後ろに隠れている。

彼は振り返り、まるで私たちが罪人であるかのように、冷たい視線を向けてきた。

「理沙」

西野俊介の声は骨身に染...

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