第298話

第298章:私は自分を君に捧げる

カミラ

10!顔に笑みがこぼれる。その笑顔はすぐに弾けるような笑い声へと変わった。グレゴリオが私を肩に担ぎ上げ、連れ去ろうとする中、アドリアーノとドメニコが遠くから追いかけてくる。

「グレゴリオ」私は叱るように言うが、彼はただ私をもっとしっかりと抱きしめるだけで、私のドレスが舞い上がり、パーティー中の全員に見えそうになっていることなど気にもとめていない。

9、8、7、6、5!

「今年最初のキスは俺のものだ、スウィートハート」グレゴリオは厚かましく笑うと私を下ろし、石の壁に押し付け、身なりを整える時間もほとんど与えてくれない。

彼の肩越しに目をやると...

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