第4章
午後、校内に突然放送が流れ、江川花が学年主任室へすぐ来るようにと呼び出された。
私は保健室の入口に立ち、彼女のためらいがちな後ろ姿を見つめながら、胸の内に漠然とした不安が広がっていくのを感じていた。
原作漫画の中で、主任室は江川花が何度も辱めを受けた場所だった。
「一緒に行こうか」
そう尋ねてみる。
江川花は首を横に振った。「大丈夫」その声はか細かったが、口調は固かった。
私は無理強いせず、ただ彼女の肩を軽く叩いた。
「何かあったら電話して」
三十分後、私が医療用品を整理していると、不意に携帯が鳴った。江川花からだった。
彼女の声は微かに震えていた。
「主...
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