第7章

立花大介。

温泉旅館の廊下で、私は去り際にいるその男を見つめながら、頭を高速で回転させていた。見間違えるはずがない。彼は成人漫画のもう一人の主要人物——横暴な社長、立花大介だ。

瞬時に原作漫画の筋書きを思い出す。立花大介の高嶺の花がアメリカに留学した後、彼はある高級バーで江川花と出会い、不適切な関係を持つことになる。その物語では、花ちゃんはまだ十七歳で、立花大介はすでに二十七歳だった。

この年齢差が、現実では何を意味するのか。私の胃は怒りでねじ曲がった。

それは愛じゃない。犯罪だ。

「立花さん!」

私は大股で進み出て、彼の行く手を塞いだ。彼は足を止め、少し驚いたように...

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