第11章 嘲笑

午後の柔らかな日差しを浴びながら、白石凛は久しぶりに「生きている」という実感を噛み締めていた。

二人は肩を並べて公園を歩き、モコもその後ろをトコトコとついてくる。

飼い主に名前を呼ばれたポメラニアンは、頭を揺らしながら戻ってくると、黒木蓮のズボンの裾に甘えるように体を擦り寄せた。

「モコちゃん、いい子ですね」

白石凛は愛らしい毛玉のような子犬を見つめ、心が晴れやかになるのを感じた。

「あの、今回のショーに参加するブランドについて、少しお聞きしたいことがあるんですが」

黒木蓮は軽く頷く。その表情は相変わらず淡々としていた。

「どうぞ」

「なぜ近年、『ジュエリー・花鳥風月』の業績...

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