第16章 信頼なき

西園寺昴は白石凛の肩を掴み、驚きと喜びの入り混じった表情で彼女を見つめた。

白石凛は冷笑を浮かべる。

「西園寺昴、あなたにこれほどの名演技ができる才能があったなんて、今まで知らなかったわ」

ほんの一秒前までは、まるで重病人のようにベッドに横たわり、甲斐甲斐しく世話をされていた男が、次の瞬間には何事もなかったかのように目の前に立っているのだから。

「違うんだ。君が来てくれて本当に嬉しい。君がいない間、食事も喉を通らなくて、ずっと酒ばかり飲んでいたから胃病が再発してしまったんだ」

西園寺昴は白石凛の瞳をじっと見つめ、下手に出るような態度を見せた。

「西園寺昴、私の中にあなたへの信頼な...

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