第32章 まずは落ち着け

「いいわ。でも今すぐじゃない。まずは世間に認められるだけの作品を作ってからよ。中身のない宣伝なんて、反感を買うだけだもの」

白石凛はそのあたりを冷静に弁えていた。

アンナは頷いた。「じゃあ先に雑誌の撮影を頼むわ。凛がいなかったら私、本当にキレてたところよ」

「今月号の表紙、向こうから売り込んできたタレントだったのに、土壇場になってドタキャンされたのよ」

「最近のタレントときたら、実力もないくせにプライドだけは一人前なんだから」

アンナは仕事に対して非常に厳格で、こういった大物ぶるタレントを何よりも嫌っていた。

白石凛はくすりと笑った。「アンナの悪名が業界に轟きすぎて、怖気づいたん...

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