第35章 白石凛、君は泣いた

白石凛は、大型ビジョンに映し出された神田ミユの華々しい姿を呆然と見上げていた。やがてその場にしゃがみ込むと、堪えきれずに小さな嗚咽を漏らし始めた。

一体、私は何に未練を感じているのだろう。

西園寺昴は、彼女に謝罪し懺悔の言葉を並べながら、彼女の心血を注いだすべてを神田ミユに捧げたのだ。

彼自身、凛がどれほど自分の作品を大切にしていたかを知っていたはずだ。それなのに、彼女の作品に他人の名前を冠して世に出した。

最愛の人によって結婚生活と感情のすべてを否定され、今また心血を注いだ作品まで奪われた。彼女が必死に掴もうとした再起への希望は、非情にも泥にまみれ、踏みにじられたのだ。

その時、...

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