第40章 昨日あなたと踊っていたあの男は誰

「アンナ、とりあえず上に行ってみましょう。あなたが思っているほど悪い状況じゃないかもしれないわ」

「別に、悪いようになんて考えてない」

アンナはそう反論し、黙りこくったまま足早に中へと入っていく。白石凛は小走りで彼女に追いつき、その手を力強く握りしめた。

アンナの掌は、氷のように冷たかった。

二人が病室に入ると、そこには既に先客がいた。白石凛は見覚えのある顔に気づく。アンナの継母である柳川佳代と、突然現れた異母妹の文月秀だ。

文月秀は凛たちを見るなり、鼻で笑った。

「あら、有名な編集長様じゃない。多忙なあなたが、どうして今日に限って自分に父親がいるなんて思い出したのかしら」

「...

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