第60章 私が気持ち悪い?

「君は……」

黒木蓮は思わず失笑した。

「すまない、失礼した」

白石凛が口を開く間もなく、新たな取引先が黒木蓮に酒を勧めにやって来た。

彼女は黒木蓮の背中を見つめ、眉をひそめる。

気のせいだろうか?

黒木蓮が不機嫌そうに見えた。

接待が終わったのは十二時を回っていた。火野カレンもかなり飲んでいたが、意識ははっきりしている。

彼女は白石凛に黒木蓮の世話を頼み、先に帰ってしまった。

白石凛はグレースに引き留められて社交辞令に付き合わされ、車に乗り込んだ時には、黒木蓮はすでに目を閉じて仮眠をとっていた。

男の顔には酒気が漂い、いつもの鋭い眼光は影を潜めている。眉間には皺が寄り、...

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