第12章 桐島グループに入社

想像していたような、威厳を漂わせてデスクに座り、報告を待つ桐島源蔵の姿はそこになかった。

書斎の窓際に置かれたソファに、いつもなら背筋をピンと伸ばしているはずの老人が、今は背を丸めて小さくなっていた。

その手には古びた写真立てが強く握りしめられており、老いた手の甲には青筋が浮かび、小刻みに震えている。

午後の日差しが窓の格子を抜けて、彼の白髪と皺の刻まれた横顔に落ち、そこに幾筋もの乾いていない涙の跡を鮮明に照らし出していた。

彼はまるで孤独な世界に閉じ込められているかのように、背後に人が来たことにも気づいていない。ただ親指で、ゆっくりと、慈しむように、ガラスの下にある黄ばんだモノクロ...

ログインして続きを読む