第47章 所詮、彼は笑い者

白石麻里奈をマンションの下まで送り届け、彼女が逃げ込むように建物の中へ入っていくのを見届けて、大旗俊夫はようやく安堵の息をついた。

彼は助手席の綾瀬美月に向き直った。

「綾瀬さん、今夜は本当に助かりました。ですが……この件、桐島様にお伝えすべきでしょうか?」

綾瀬美月は桐島蓮の携帯電話を大旗俊夫に手渡した。

「携帯は明日、桐島様にお返しして。今夜のことについては……」

彼女は一拍置いた。

「白石ディレクターが公にしたくないとおっしゃっているのだから、私たちが余計な口を挟む必要はないわ。あくまで、彼女のプライバシーですから」

彼女はあえて「プライバシー」という言葉を強調した。大旗...

ログインして続きを読む