第5章

健一視点

月曜の朝、俺は礼奈のクローゼットの前で、まるで大馬鹿野郎みたいに立ち尽くしていた。

ブラウスにスカート、それにワンピースがずらりと並んでいる。どれもこれも複雑そうだ。俺のシャツやズボンみたいに、適当に掴んで着ればいいって代物じゃない。

俺は白いブラウスと紺色のスラックスを引っ張り出した。これなら仕事着に見えるだろう。それから、ブラジャーが詰め込まれた引き出しを開けた。

そうだった。女はこれを着けるんだったな。

一つ手に取ってみる。これ、一体どっちが前だ? ホックが背中にあるから、後ろ前につけてホックを留めてから回せばいいのか?

だが、それが間違いだった。ねじ...

ログインして続きを読む