第4章

郁美視点

 私が黙り込んでいるのを見て、えな子の怒りはさらにヒートアップした。

「あんた、あの提携先に五つもタダでデザイン案出すって約束したの!? 五つよ、五つ!」

 彼女の怒りに満ちた剣幕に押され、私は目を合わせることができない。また心が折れてしまいそうで怖かった。ただ、虚空を見つめるように壁の一点を見据える。本来なら、私たちの結婚写真を飾るはずだった場所だ。

「……もしかしたら、朋子のほうが貢献してるのかもしれないし」

「郁美……」

 えな子の声色が柔らかくなる。

 彼女は私を力強く抱き寄せた。最初は強張っていた私の体も、徐々に彼女の肩へと預けられていく。

「あんたには、...

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