第10章
気づいた時にはもう動いていた。震える指でスマートフォンを握りしめ、賢治の番号をタップする。
いきなり留守番電話になった。
もう一度かけた。それでも留守番電話だった。
「負傷した刑事は重体です。詳しい情報が入り次第、お伝えします……」
息が詰まる。世界がぐらぐらと揺れて、うまく空気を吸い込めない。
私は警察署に電話をかけた。
「マイアミ市警です。ご用件をどうぞ」
「長瀬、じゃなくて、アキコ・ナガセと申します。夫はケンジ・ナガセ刑事なのですが、彼の安否を確認したいんです。警官が負傷したというニュースを見て――」
「奥様、現在進行中の作戦に関する情報はお伝えできま...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 第12章


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