第12章

思わず水を噴き出しそうになった。「え、何ですって?」

「本物の結婚式だよ。俺たちの知ってる人たちを呼んで、花を飾って、ベガスのホテルの自動販売機のやつじゃないケーキで祝うんだ」

「賢治、私たち、もう結婚してるじゃない」

「分かってる。でも、結婚式はしてないだろ。あったのはエルヴィスと二日酔いだけだ」

『うわあ、本当の結婚式! よかったね、秋子隊員、あなたの努力がついに報われたのよ! うん、秋子、幸せになるからね! お母さん、見てる? 秋子が結婚するのよ。こんな風に言うとお母さんが死んじゃったみたいね、本当にごめんなさいだからお母さんを叱らないで! でも、私、本当に幸せになれ...

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