第5章

「みんな!」上司のクロエが会議室に全員を集めるために手を叩いた。「チームビルディングの時間よ!」

『チームビルディングって聞くと、信頼ゲームとか気まずいアイスブレイクとかを想像しちゃう。でもまあ、家で賢治が犯罪統計を勉強してるのを眺めてるよりは面白いか』

「というわけで」クロエは危険な興奮に目を輝かせながら続けた。「今夜は『アドニス』のVIP席を予約したわ!」

同僚のサラがコーヒーを噴き出しそうになった。「アドニス? あの男性ストリップクラブの?」

「ストリップクラブじゃないわ、紳士のための……エンターテイメント施設よ」クロエは訂正した。「それに、これはリサーチのため! 今...

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