第13章
離婚の手続きをする日、小笠原玲奈も当然のように付いてきた。
まるで私が気を変えて彼を奪い返すのを恐れるかのように、彼女は緒方智也の腕に必死にしがみついている。
離婚届が受理された瞬間、彼女はあからさまに安堵の息を漏らした。
そして緒方智也が車を取りに行っている隙を狙い、彼女はまた私に絡んできた。
「あたしたちが喧嘩してる隙に、三年間も緒方の奥さんごっこができてよかったじゃない。あたしからの施しだと思ってね」
「相原沙耶、あんたは所詮、貧乏人の娘よ」
「これからは精々気をつけることね。じっくりと追い詰めてあげるから」
私は不意に彼女の髪を鷲掴みにした。
不意を突かれ...
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