第44章 古宮桐也に毒を盛る

キッチンでは、千葉晴美が使用人に古宮桐也のための薬を煎じるよう指示していた。

そのとき、古宮美咲が通りかかった。

「小林さん、私が育てている花がどうして枯れてしまったか見てくれませんか?昨日水をあげたばかりなのに」

小林さんは少し困った様子で答えた。

「でも今、薬を煎じているところですが…少しお待ちいただけませんか?」

「もう、これは人にあげるものなんです。親友の誕生日がもうすぐで、この鉢植えをプレゼントすると約束したんですよ」

古宮美咲は小林さんを無理やり庭へ連れ出した。小林さんは一目見て言った。

「水のやりすぎだと思います」

「でも、昨日見たときは元気だ...

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