第48章 千葉晴美はたいした人物ではないでしょう

千葉晴美は微笑んで言った。

「それぞれやり方がありますよ。人が多すぎると、かえって決断しづらくなりますし。今は徐々に良くなっているようですから、冬樹様もご心配なさらなくても」

「兄嫁さんがそんなに素晴らしい医術をお持ちなら、私など必要ないでしょう。ただ、兄さんという人は、性格が少し孤独で冷たいところがあって、もし言葉で兄嫁さんを不快にさせたなら、どうかお許しください」

古宮冬樹からは謙虚な君子という印象を受け、話し方も穏やかで、確かに古宮桐也の性格とは大きな隔たりがあった。

しかし彼らは古宮桐也が秘めている優しさを見たことがないのだ。その優しさはちょっと見ただけで、まるで溺...

ログインして続きを読む