第49章 ただのプリンセス病

古宮玲奈は古宮美咲の手を引き下げた。美咲は千葉晴美を指差していた。

「もういいでしょ。彼女に何の価値があるっていうの?田舎から来た娘が礼儀作法なんて何も分からないじゃない。基本的な礼儀すら持ち合わせていないのに、作法なんて持ち合わせているはずがないわ」

千葉晴美は古宮玲奈と争うつもりはなかった。そもそも眼中にすら入れていない。軽蔑したように目を回し、視線を古宮美咲へと戻した。

この小さな仕草が古宮玲奈の神経を逆撫でした。精緻な化粧を施した顔が歪み、指が古宮美咲の腕をきつく掴んだ。

「今の眼差しは何なの?」

見下されたのか?千葉晴美に何の権利があるというの!自分はどんなに...

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