第70章 盗撮された

高杉蓮がその事実を認めた瞬間、白川ゆらは危うくスマホを握り潰しそうになった。

彼女は薬学のことなど、何ひとつわかっていないのだ。秋月雫の成果という支えがなければ、どうして「美人薬学博士」などという虚名を維持できようか。

何より、伊野編集長が彼女の論文を首を長くして待っている。どうすればいい?

白川ゆらは喉元まで出かかった罵倒を飲み込み、低い声で告げた。

「なんとしてでも彼女の最新論文を手に入れるのよ。さもなくば、二度と私に会えると思わないことね!」

激昂したその口調には、普段の淑やかさは微塵もなく、あるのはただ傲慢な命令者としての響きだけだった。

「ゆらちゃん、そんなこと...

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